キラキラネームで後悔しないために [ニュース(ライフ)]
「ありの~ままの~♪」ではないですが、個性重視の教育になってから、名前にも個性を、という風潮になっています。
その話題の先鋒となっているのが、いわゆる、キラキラネームとよばれるものではないでしょうか。
「赤ちゃん名づけ」を提供するリクルーティングスタジオが、2015年上半期キラキラネームランキングを発表しました。「無料 赤ちゃん名づけ」アプリと「赤ちゃん名づけ実績No.1/無料 赤ちゃん名づけ(Web)」において、2015年1~6月にアクセス数の多かったキラキラネームをランキング化したもので、この名前をそのままわが子に命名するか否かは別として、わが子の命名にさいしてお父さまお母さま方が関心を示したランキングである、といえるでしょう。
まず、百聞は一見にしかず。
見てみましょう。
※参考資料:無料 赤ちゃん名づけ
3期連続で「苺愛(いちあ、べりーあ)」が1位に輝きました。
3期連続・・・ということは、1年半もの間、お父さまお母さま方が心を惹きつけてやまなかったということでしょう。由来として「愛しい苺」という投稿がありますが、はてさて、子どもは苺ですか?
2位以下は、ツッコミどころ満載です。
2位:「皇帝」(しいざあ、ふらんつ)
3位:「黄熊」(ぷう)
巷でも、なぜ「皇帝」が「ふらんつ」なのか、という書き込みがありましたが、なぜに、「ふらんつ」? オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のことですか? あの、美貌の皇后エリザベートの夫の。もう、普通にカタカナでいいんじゃないの、と言いたくなります。
3位の「黄熊」は、もう、将来、名前でいじめられることを運命づけられたかのようなネーミングです。プーさんが好きなことはよくわかりました。が、子どもは、アニメのキャラクターではありません。
「熊」というなんとも渋い選択をされたのであれば、いっそ、もっと渋く、「熊五郎」とか「熊楠」などが良いのでしょうか。雄々しいイメージの「熊」を子どもの名前につけることによって、子どもの健康を祈る、というのは日本古来からあります。が、「黄熊」でどのような願いを込めているのか、私にはわかりませんでした。
また、「ぷう」という語感から、「屁」でもいいじゃないか、というツッコミを見受けられましたが、これも、日本古来から、子どもを守るための魔除けとして、似たような名がつけられていました。古今和歌集で有名な紀貫之は、幼名を「阿古久曾麻呂」(あこくそまろ)といいます。同じく平安時代前期には、「卜部乙屎麻呂」(うらべのおとくそまろ)という人物もいます。かつては、子どもが無事に成長することが少なく、いつこの世からいなくなるかわからない、ということで「7歳になるまでは神の子」といわれてきました。そのなか、わが子を生き延びさせるために、魔除けのための名を幼名としてつけたのです。
「ぷう」にそうした深い思いがあるのであれば良いのですが、どうなのでしょうね。
少なくとも、子どもの将来の改名率はぐぐっと急上昇になる予感がします。
普通に、「おやめなさい」と忠告したいのが、27位の「火星」(じゅぴたー、まあず)です。
すでに多くのツッコミが入っていますが、火星はマーズです。木星がジュピターです。もし、「火星」とかいて「じゅぴたー」と読ませる名前があったとしたら、お名づけになったかたの教養の程度が一目瞭然になってしまい、子どもにとっては不利なことしかありません。
キラキラネームは、現在は、虐待ネームと同義語であると私は思います。
多感な子ども時代に、本人の資質以外でからかわれる材料をつくってしまうことの罪深さを考えないといけません。私は、普段、小学生を相手にするわけではありませんが、自分の名前の由来ついてスピーチをさせることがよくあります。小学校でもよく行われる取り組みですね。この学習の意図は、名前というのは親が一生懸命考えてつけるものですので、子どもは自分の名前を由来を親に聞くことで、自分がいかに親から愛されてきたのか、自分という存在の大切さを知ることで、自己肯定感や自分を大切にすることを学ぶ、というものです。
つまり、キラキラネームをつけるのは良いのですが、子どもが、自分の名前の由来を聞いて、自分がいかに大切にされているのか、ということを実感してもらえるように、意味を考えてほしいということです。
キラキラネームをみると、ほとんど、漢字の意味や音を無視しています。そして、アニメの主人公だったり、カタカナ由来のものが多いことがわかります。つまり、現在のキラキラネーム問題は、日本人の漢字にたいする知識低下と直結した ものであることがわかります。
本来、こどば遊びには教養がともなっています。教養を前提としないことば遊びの結果、このような現象が起こるのでしょう。
キラキラネームの弊害として、病院での患者IDの作り間違えによって適切な処置が遅れる、とか、就職での不利があげられています。
医療現場の実態として、確かにIDの作り間違えによる弊害が存在することは聞いています。
また、就職にかんしても、実際に、企業の人事担当から話を聞きました。もし、同じ能力のある学生が2人いて、ひとりは普通の名前、ひとりはキラキラネームだとしたら、普通の名前の学生を採用する、と。その理由は、キラキラネームをつける親の資質、家庭環境をかんがみると、これから一緒に仕事をしていく仲間としては、思案すべきことが多い、ということです。
個人的な意見としては、正直、キラキラネームについては悩まされることもありますが、子どもの理解を得られるのであれば、自由にすればよいと思います。一番の被害者は子ども本人ですので、本人が、強く生きていけるだけの説得力とサポート体制をしいてあげられるのであれば、個人の自由でしょう。
ただ、実際に、そこまで考えているお父さまお母さまがどれだけいらっしゃることか・・・。
子どもの気持ちを体験するためにも、1ヶ月でも良いので、自分がつけようとしている名前で、社会生活を送ってみるのも良いかもしれません。
法改正についても議論されています。
名前というのは、非常に大切なものです。したがって、これまでは、改名についての規制は複雑でした。安易に改名できるようになると、さまざまな犯罪にも悪用されるということですから、法律を変えるのというのは、乱暴なことだと思っていますが、現実問題として、今後、改名申請が多くなるのも、容易に想像がつきます。そのため、法改正というものが話題になるのでしょう。
しかし、逆に考えれば、法改正をせず、法律をストッパーにする、という方法もあります。
安易に改名ができないのだから、安易に名前をつけてはならない、と。
社会人である親には、そこまで考えて、子どもに名前をつけてあげてほしいと思います。
大切な名前です。
命名は、子どもにとっては一生に一度の大イベントです。
イベントの主人公である、子どものことを第一に考えて、脇役である親たちはイベントに、謙虚に参加してほしいものです。
その話題の先鋒となっているのが、いわゆる、キラキラネームとよばれるものではないでしょうか。
「赤ちゃん名づけ」を提供するリクルーティングスタジオが、2015年上半期キラキラネームランキングを発表しました。「無料 赤ちゃん名づけ」アプリと「赤ちゃん名づけ実績No.1/無料 赤ちゃん名づけ(Web)」において、2015年1~6月にアクセス数の多かったキラキラネームをランキング化したもので、この名前をそのままわが子に命名するか否かは別として、わが子の命名にさいしてお父さまお母さま方が関心を示したランキングである、といえるでしょう。
まず、百聞は一見にしかず。
見てみましょう。
※参考資料:無料 赤ちゃん名づけ
3期連続で「苺愛(いちあ、べりーあ)」が1位に輝きました。
3期連続・・・ということは、1年半もの間、お父さまお母さま方が心を惹きつけてやまなかったということでしょう。由来として「愛しい苺」という投稿がありますが、はてさて、子どもは苺ですか?
2位以下は、ツッコミどころ満載です。
2位:「皇帝」(しいざあ、ふらんつ)
3位:「黄熊」(ぷう)
巷でも、なぜ「皇帝」が「ふらんつ」なのか、という書き込みがありましたが、なぜに、「ふらんつ」? オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のことですか? あの、美貌の皇后エリザベートの夫の。もう、普通にカタカナでいいんじゃないの、と言いたくなります。
3位の「黄熊」は、もう、将来、名前でいじめられることを運命づけられたかのようなネーミングです。プーさんが好きなことはよくわかりました。が、子どもは、アニメのキャラクターではありません。
「熊」というなんとも渋い選択をされたのであれば、いっそ、もっと渋く、「熊五郎」とか「熊楠」などが良いのでしょうか。雄々しいイメージの「熊」を子どもの名前につけることによって、子どもの健康を祈る、というのは日本古来からあります。が、「黄熊」でどのような願いを込めているのか、私にはわかりませんでした。
また、「ぷう」という語感から、「屁」でもいいじゃないか、というツッコミを見受けられましたが、これも、日本古来から、子どもを守るための魔除けとして、似たような名がつけられていました。古今和歌集で有名な紀貫之は、幼名を「阿古久曾麻呂」(あこくそまろ)といいます。同じく平安時代前期には、「卜部乙屎麻呂」(うらべのおとくそまろ)という人物もいます。かつては、子どもが無事に成長することが少なく、いつこの世からいなくなるかわからない、ということで「7歳になるまでは神の子」といわれてきました。そのなか、わが子を生き延びさせるために、魔除けのための名を幼名としてつけたのです。
「ぷう」にそうした深い思いがあるのであれば良いのですが、どうなのでしょうね。
少なくとも、子どもの将来の改名率はぐぐっと急上昇になる予感がします。
普通に、「おやめなさい」と忠告したいのが、27位の「火星」(じゅぴたー、まあず)です。
すでに多くのツッコミが入っていますが、火星はマーズです。木星がジュピターです。もし、「火星」とかいて「じゅぴたー」と読ませる名前があったとしたら、お名づけになったかたの教養の程度が一目瞭然になってしまい、子どもにとっては不利なことしかありません。
キラキラネームは、現在は、虐待ネームと同義語であると私は思います。
多感な子ども時代に、本人の資質以外でからかわれる材料をつくってしまうことの罪深さを考えないといけません。私は、普段、小学生を相手にするわけではありませんが、自分の名前の由来ついてスピーチをさせることがよくあります。小学校でもよく行われる取り組みですね。この学習の意図は、名前というのは親が一生懸命考えてつけるものですので、子どもは自分の名前を由来を親に聞くことで、自分がいかに親から愛されてきたのか、自分という存在の大切さを知ることで、自己肯定感や自分を大切にすることを学ぶ、というものです。
つまり、キラキラネームをつけるのは良いのですが、子どもが、自分の名前の由来を聞いて、自分がいかに大切にされているのか、ということを実感してもらえるように、意味を考えてほしいということです。
キラキラネームをみると、ほとんど、漢字の意味や音を無視しています。そして、アニメの主人公だったり、カタカナ由来のものが多いことがわかります。つまり、現在のキラキラネーム問題は、日本人の漢字にたいする知識低下と直結した ものであることがわかります。
本来、こどば遊びには教養がともなっています。教養を前提としないことば遊びの結果、このような現象が起こるのでしょう。
キラキラネームの弊害として、病院での患者IDの作り間違えによって適切な処置が遅れる、とか、就職での不利があげられています。
医療現場の実態として、確かにIDの作り間違えによる弊害が存在することは聞いています。
また、就職にかんしても、実際に、企業の人事担当から話を聞きました。もし、同じ能力のある学生が2人いて、ひとりは普通の名前、ひとりはキラキラネームだとしたら、普通の名前の学生を採用する、と。その理由は、キラキラネームをつける親の資質、家庭環境をかんがみると、これから一緒に仕事をしていく仲間としては、思案すべきことが多い、ということです。
個人的な意見としては、正直、キラキラネームについては悩まされることもありますが、子どもの理解を得られるのであれば、自由にすればよいと思います。一番の被害者は子ども本人ですので、本人が、強く生きていけるだけの説得力とサポート体制をしいてあげられるのであれば、個人の自由でしょう。
ただ、実際に、そこまで考えているお父さまお母さまがどれだけいらっしゃることか・・・。
子どもの気持ちを体験するためにも、1ヶ月でも良いので、自分がつけようとしている名前で、社会生活を送ってみるのも良いかもしれません。
法改正についても議論されています。
名前というのは、非常に大切なものです。したがって、これまでは、改名についての規制は複雑でした。安易に改名できるようになると、さまざまな犯罪にも悪用されるということですから、法律を変えるのというのは、乱暴なことだと思っていますが、現実問題として、今後、改名申請が多くなるのも、容易に想像がつきます。そのため、法改正というものが話題になるのでしょう。
しかし、逆に考えれば、法改正をせず、法律をストッパーにする、という方法もあります。
安易に改名ができないのだから、安易に名前をつけてはならない、と。
社会人である親には、そこまで考えて、子どもに名前をつけてあげてほしいと思います。
大切な名前です。
命名は、子どもにとっては一生に一度の大イベントです。
イベントの主人公である、子どものことを第一に考えて、脇役である親たちはイベントに、謙虚に参加してほしいものです。
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