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ノーベル文学賞はベラルーシの作家:村上春樹氏、受賞逃す [ニュース(国際)]

すでに2人の日本人のノーベル賞が決まった今年の流れから、もしや、ノーベル文学賞は念願の村上春樹氏(66)に決まるのでは・・・と期待を込めて速報を待っていたのですが、受賞したのは、ベラルーシの作家、スベトラーナ・アレクシエービッチ氏(67)。
授賞理由は「私たちの時代の人々の困難や勇気を、聞き書きを通じて多層的に描き出した」ということらしいです。

スベトラーナ・アレクシエービッチ氏は、作家というより、ジャーナリストの要素が強いかもしれません。ある意味、山崎豊子氏のような存在かもしれません。
ベラルーシ大学でジャーナリズムを専攻し、卒業後はジャーナリストとして活動し、聞き書きを通して、大事件や社会問題を描いてきました。

『戦争は女の顔をしていない』は、第二次世界大戦に従軍した女性や関係者を取材。
『ボタン穴から見た戦争』は、第二次世界大戦のドイツ軍侵攻当時に子供だった人々の体験談。
『アフガン帰還兵の証言』は、アフガニスタン侵攻に従軍した人々や家族の証言。
『チェルノブイリの祈り』は、チェルノブイリ原子力発電所事故に遭遇した人々の証言。

後者2作品に関しては、政治的にもかなりギリギリの線であるために、苦労もしたようです。
『アフガン帰還兵の証言』では、ソビエト連邦の介入下にあるアフガニスタンを取材し、証言を集めましたが、一般のソビエト国民に隠されていた事実が次々と明らかにされ、軍や共産党の新聞から攻撃されたといいますし、『チェルノブイリの祈り』では、いまだ、もろもろの政治的経済的思惑からの言論統制により、ベラルーシでの出版は取り消されています。

とはいえ、国際的な評価は高く、ソヴィエト連邦国家賞、ライプツィヒ国際ドキュメンタリー映画祭の銀の鳩賞、ロシアの大勝利賞、ライプツィヒのヨーロッパ相互理解賞、ドイツの最優秀政治書籍賞、スウェーデンPENクラブよりクルト・トゥホルスキー賞、ドイツ・ブックトレード平和賞など、さまざまな賞をとっています。


毎年、ノーベル文学賞で話題になる村上春樹氏の作品とは、また違います。
種類が、違います。
ノーベル賞選考委員による文学賞の「文学」の定義が、わかる賞かもしれません。






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